あなたとは合わないと思っていたけれど
十一章 決着
八月、お盆の連休に入り航空業界は繁忙期を迎えていた。
武琉はもちろん香澄も忙しい日々を送っている。
そんなある日、武琉は仕事終わりに早織を空港内のカフェに呼び出した。
「武琉君! ごめんね遅くなって」
早織は五分ほど遅れて急ぎ足でやって来た。
顔には綺麗にメイクを施し、華やかなワンピースを身に付けている。仕事が終わってすぐに駆け付けたようには到底見えなかった。
武琉はとくに気にせずに席に座るように告げた。
早織は横柄な態度でスタッフに注文を告げてから席に着いた。
「武琉君、話ってなに? もしかして離婚が決まったとか?」
早織はいつになく機嫌が良さそうに見える。
武琉は眉を顰めながら口を開く。
「今日は、その件についてはっきりさせるために来てもらった」
「本当に決まったの? よかった。あの人は武琉君に似合わないもの。おば様たちだってみんな私が武琉君に相応しいって言ってたんだから」
早織は武琉の言葉を曲会したのか、ひとりで話を進めている。
武琉は「早織」と厳しい声で彼女を黙らせた。
「香澄とは離婚しない。二度とそんな話をするな」
「え……だってさっき、はっきりさせるって」
「はっきりさせるのは、俺と早織の関係についてだ。今後は距離を置くことにした」
「どうして?」
「早織の香澄への態度は許されないものだ。香澄を尊重し礼儀をもって接することができるようになるまで俺たちには関わるな」
早織が信じられないというように瞳を揺らす。