あなたとは合わないと思っていたけれど
「答えるわけないだろ」
掴まれた腕に力が入った。
(この人、本気だ)
生命の危機と思うほどの恐怖を感じた。香澄はパニックになり、持っていた買い物袋を男の顔に向かって放り投げていた。
男が怯み手を開放される。その瞬間、夢中で駆け出していた。
香澄は完全なインドア派だが、意外と走るのが速い。
大して男はあまり機敏さがないようで、後ろから大声を上げているが追いつかない。
(このまま逃げ切る)
そう希望を抱いたそのとき、前方から見覚えのある人影が近づいてきた。
(……蛯名さん?)
なぜ彼女がここに居るのかと混乱する。かといって止まる余裕はない。
「蛯名さん逃げて、近くに変質者がいるの!」
思うところのある彼女だが、危険人物がいると知りながら放置はできない。
親切心だった。ところが早織は慌てることなくその場で立ち止まり、立ち去ろうとした香澄の腕を掴んできた。
「なにするの?」
驚く香澄に早織はにやりと笑う。
「分からないの?」
「え?」
戸惑ううちに男が追い付いてきた。
「早織、そいつを捕まえろ」
「もう捕まえた」
香澄は信じられない想いで目を見開いた。
(まさかふたりは知り合いなの?)
いやそれどころか、男をけしかけて香澄を傷つけようとするのは……。
早織が残酷な笑みを浮かべた。
「あんたがどうしても許せない。消えて貰うから」
掴まれた腕に力が入った。
(この人、本気だ)
生命の危機と思うほどの恐怖を感じた。香澄はパニックになり、持っていた買い物袋を男の顔に向かって放り投げていた。
男が怯み手を開放される。その瞬間、夢中で駆け出していた。
香澄は完全なインドア派だが、意外と走るのが速い。
大して男はあまり機敏さがないようで、後ろから大声を上げているが追いつかない。
(このまま逃げ切る)
そう希望を抱いたそのとき、前方から見覚えのある人影が近づいてきた。
(……蛯名さん?)
なぜ彼女がここに居るのかと混乱する。かといって止まる余裕はない。
「蛯名さん逃げて、近くに変質者がいるの!」
思うところのある彼女だが、危険人物がいると知りながら放置はできない。
親切心だった。ところが早織は慌てることなくその場で立ち止まり、立ち去ろうとした香澄の腕を掴んできた。
「なにするの?」
驚く香澄に早織はにやりと笑う。
「分からないの?」
「え?」
戸惑ううちに男が追い付いてきた。
「早織、そいつを捕まえろ」
「もう捕まえた」
香澄は信じられない想いで目を見開いた。
(まさかふたりは知り合いなの?)
いやそれどころか、男をけしかけて香澄を傷つけようとするのは……。
早織が残酷な笑みを浮かべた。
「あんたがどうしても許せない。消えて貰うから」