あなたとは合わないと思っていたけれど
(育ちがいい御曹司って感じがする。本当に私と契約結婚なんてして大丈夫なのかな?)

 彼の家庭環境や家族について詳しい話を聞きたくなったものの、まだ契約結婚を受けると決めた訳ではないから、あまりプライベートには踏み込みづらい。

 こんなことになるなら、もう少し彼の情報を気にしていればよかったと考えながら、香澄は食後のコーヒーを口に運んだ。

 武琉と別れた香澄は真っすぐ自宅に帰った。

 玄関を開けるとすぐに、お気にいりのルームフレグランスの香りが漂ってくる。

 大好きな自分の部屋に戻ると、安心するせいか肩の力が抜ける。

 香澄は部屋の暖房をつけてからとコートを脱ぎバスルームに向かった。

 今日は特に寒かったからゆっくり湯舟に浸かって温まろう。ストックしているバスボムの中からラベンダーの香りを選んで置いておく。

 お湯が溜まる間に着替えを用意したり、後で何を食べようか考えながら冷蔵庫の中をチェックをしたりしていると、お湯が溜まった。ほんのりピーチ味のミネラルウォーターを手にしてお風呂に向かった。

「は~癒される」

 香澄はのんびり入浴したいため湯舟があるマンションを選んだ。アロマキャンドルを灯したり好みの音楽を聞いたりと、半身浴をしながらゆっくり過ごせる癒しの空間を整えてある。

 体がじわじわと温まるのを感じながら、ミネラルウォーターをごくごく飲んだ。
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