あなたとは合わないと思っていたけれど
『香澄の希望はお互い干渉しないで自由を認めるってことでしょ……うーん無理かなあ。仮面夫婦だったらありかもしれないけど、相手にメリットがないよね』
『うん、資産家でもない私とそんな夢も希望もない結婚したい人なんていないよ』
(仮面夫婦? ……そうだ!)
その瞬間、稲妻が落ちたような閃きがあった。
偽装結婚、あるいは契約結婚をすればいいのではないか?
隣の部屋で愚痴を言っている彼女は、その条件に当てはまる。
結婚したくない理由はひとりで家に居たいからと、自分とは真逆だがむしろ都合がいい。
常に気持ちが外に向いていて家は寝に帰る場所でしかない武琉と違い、その女性は自宅で過ごす時間を大切にしているようだった。ひとりで自宅で寛ぐ時間が何より大切で、そのために働いているらしい。一緒にいた友人は、引きこもり系おひとりさまなど言っていた。
その点はまったく共感できなかったが、こういったドライな考え方の女性となら、上手く共同生活が送れる気がする。
自分の閃きに気持ちが昂ったが、すぐにないなと却下した。
現実的に無理だ。いくら条件があったからといって、面識がない相手にいきなり契約結婚しませんか? なんて持ち掛けられるわけがないのだから。そんなことをしたら不審者として扱われるのが落ちだ。
(馬鹿な考えはやめよう)
そう諦めて次の予定のために移動しようとしたとき、隣の部屋の様子が見えて武琉は思わず立ち止まった。
『結婚なんて無理!』と熱く語っていた女性が、同僚だったのだ。
彼女はフライトでときどき同じチームになるCAの野崎菜恵。もうひとりは面識がなかったが、菜恵がすぐに紹介してくれた。
『うん、資産家でもない私とそんな夢も希望もない結婚したい人なんていないよ』
(仮面夫婦? ……そうだ!)
その瞬間、稲妻が落ちたような閃きがあった。
偽装結婚、あるいは契約結婚をすればいいのではないか?
隣の部屋で愚痴を言っている彼女は、その条件に当てはまる。
結婚したくない理由はひとりで家に居たいからと、自分とは真逆だがむしろ都合がいい。
常に気持ちが外に向いていて家は寝に帰る場所でしかない武琉と違い、その女性は自宅で過ごす時間を大切にしているようだった。ひとりで自宅で寛ぐ時間が何より大切で、そのために働いているらしい。一緒にいた友人は、引きこもり系おひとりさまなど言っていた。
その点はまったく共感できなかったが、こういったドライな考え方の女性となら、上手く共同生活が送れる気がする。
自分の閃きに気持ちが昂ったが、すぐにないなと却下した。
現実的に無理だ。いくら条件があったからといって、面識がない相手にいきなり契約結婚しませんか? なんて持ち掛けられるわけがないのだから。そんなことをしたら不審者として扱われるのが落ちだ。
(馬鹿な考えはやめよう)
そう諦めて次の予定のために移動しようとしたとき、隣の部屋の様子が見えて武琉は思わず立ち止まった。
『結婚なんて無理!』と熱く語っていた女性が、同僚だったのだ。
彼女はフライトでときどき同じチームになるCAの野崎菜恵。もうひとりは面識がなかったが、菜恵がすぐに紹介してくれた。