初恋の続きはトキメキとともに。
ここで止まればもう言えなくなると本能的に感じた私は、そのまま言葉を続けた。

「洸くんは覚えてないと思います。学年も違ったし、話したのは1回だけですから。でもずっと見てました。だから洸くんがキャラメル好きなことだって……実は前から知ってたんです。……こんな話、引いちゃいますよね」

話しながら私は自虐的な笑みを浮かべ、洸くんから少し視線を逸らす。

「……なんで、隠してたの?」

洸くんは驚きに満ちた目で私を見つめ、そしてポツリと訊ねた。

ここまできたら、もう隠すことなんてない。

ギュッと手を握りしめて、私は素直に口を割る。

「高校時代の私は、地味で冴えなくて。そんな過去を洸くんには知られたくなかったんです。だって、洸くんには長年付き合ってたすごく綺麗な彼女がいたことも知っていたから」

「遥香……」

「……アウトレットで水原先輩に会った時、知らないフリしたけど、本当は知ってました。元カノさんだってこと。昔と変わらず美人で、洸くんと並ぶとお似合いで。しかも水原先輩は洸くんにまだ気持ちが残ってるみたいで」

震える声で思いを打ち明ける中、私はここで一拍言葉を置いた。

一瞬、赤裸々に伝えすぎだろうかという心配が頭をよぎる。

でもこの際だから、丸裸になる勢いで心の奥底を曝け出すことにした。

「あんな素敵な人と付き合ってた洸くんが私なんかで満足するのかな、一時的な気の迷いじゃないかな……って交際当初からずっと不安に思ってました。いつか洸くんはきっと目を覚ます、そして終わりが来るって覚悟もしてて。……だから、深入りしすぎないようにって必死で心にブレーキをかけてたんです……」


言葉が途切れると、その場に静かな沈黙が落ちた。

我に返った私は、一方的に話しすぎた気がしてきて、急にお尻がもぞもぞしてくる。

落ち着かない気持ちで視線を彷徨わせていると、洸くんが黙ってソファから立ち上がり、私の方へ歩み寄ってきた。

そして隣に座ったかと思うと、私を包み込むようにそっと抱き寄せた。
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