初恋の続きはトキメキとともに。
「はい、すべて終わっています。お手隙の際にご確認をお願いできますか?」

「分かった、今確認するよ。どこにある?」

「プリントアウトした契約書と見積書はこちらです。念のため、先程データの保管先もメールでお送りしました。あと、システムへ入力した内容については高梨さんとダブルチェック済みです」

進捗を説明しながら、私は準備しておいた契約書と見積書が入ったクリアファイルを広瀬主任へ手渡す。

広瀬主任はすぐに目を通し始め、ものの数分で確認を終え書類から顔を上げた。

「へぇ、南雲さんすごいね。まったくミスなく完璧だよ。これ、1人で作成したの?」

「あ、はい。フォルダ内にあった過去の実例をベースに、今回の受注内容に合わせて調整しました」

「簡単そうに言うけど、慣れない人がやると結構苦戦するもんなんだけどね? しかも俺がオフィスに戻ってくるまでに終わらせておいてくれたしさ」

書類を手に持ったまま、広瀬主任は私を見て口元に小さな笑みを浮かべる。

感心したと言わんばかりの表情を向けられて、私はなんとも言えないむず痒さを感じた。

「南雲さんは本当に飲み込み早いね。まだ異動してきて2週間なのに。正直、俺の事務作業の負担が減ってすごく助かるよ。ありがとう」

さらには、仕事ぶりを認める褒め言葉と、感謝の言葉までかけられ、心が温かさで満ちていく。

 ……あの広瀬先輩に褒めてもらえるなんて、信じられない! すっごく嬉しい……!

仕事ぶりを評価されたのも喜ばしいが、それよりもなによりも、役に立てたことが私は嬉しかった。

昔は見ているだけだったのに、今は私なんかでも広瀬主任の力になれるのだ。

あの頃と比較して成長できた自分を実感し胸が弾む。

「やっぱり主任も遥香さんは仕事覚えるの早いって思いますよね? 一応わたしが教える係になって張り切ってたのに、早々とお役御免になっちゃいましたよ〜! ぐすん」

「それは、早々に教えることがなくなるくらい、異動直後での高梨さんによるレクチャーが良かったって見方もできるんじゃない? それに教える時間が短縮できた分、南雲さんには総務で積んできた経験があるんだし、それを教えてもらえば高梨さんのさらなるスキルアップの機会にもなるよ」
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