初恋の続きはトキメキとともに。
#05. 予想外の遭遇
肌を刺すような陽射しが、容赦なく降り注ぐ8月。
展示会に向けた準備も始まり、仕事は日に日に忙しくなってきていた。
積み上がるタスクに呑み込まれないよう、毎日必死に食らいついて仕事に励んでいるけど、時には息抜きも必要だ。
そこで週末の今日、私は茉侑の家でネイルをしてもらった後、夕方から茉侑と2人で商店街で開催されている夏祭りに来ていた。
「きっと気分転換になるから」という茉侑の提案で、なんと浴衣まで着込んでいる。
浴衣を着るのは子供の頃以来、十数年ぶりだ。
白地に藍色の花柄が入った浴衣に袖を通した瞬間、茉侑が言った通り、ふわりと気持ちが浮き上がるのを感じた。
服装に合わせて、胸下まである髪もアップにし、メイクもいつもと変えてみる。
……大学生になるまで知らなかったけど、オシャレって気分を明るくしてくれるよね!
文字で表現するなら、ルンルンといった感じだろうか。
着慣れない浴衣にぎこちない足取りになりつつ、私達は商店街沿いに並ぶ屋台を色々と見て回った。
そして茉侑はかき氷、私はリンゴ飴を購入すると、賑わう人混みから少し離れたところに座る場所を見つけて腰を下ろす。
「――ええっ! ウソッ! “初恋の広瀬先輩”と同じ部署!? しかもアシスタントを担当することになった!?」
ゆっくり話せるタイミングが訪れ、私がここ最近のビッグニュースとして広瀬主任のことを報告すると、案の定、茉侑は目を大きく見開いて素っ頓狂な声を上げた。
今まで再会の驚きを誰とも共有できていなかったから、茉侑が共感してくれて私は嬉しくなる。
「ね! ビックリするでしょ?」
「するする! まるでドラマみたいな展開! えっ、どうだった? 昔の面影なくなっててガッカリしちゃったり!?」
「ううん、全然! 相変わらず素敵だったし、さらに大人の魅力も加わってて、ガッカリどころかスゴイなぁって! 営業部のエースって言われるくらい仕事もできるし!」
「うっわぁ〜、なにそれ! 漫画に出てくる完璧隙なしのイケメンヒーローじゃん!」
「うん。昔も今も、ホントそんな感じの人なの」
「それで? 憧れで、大好きだった、そんな特別な存在の人に再会して、遥香はまた気持ちが再燃しちゃった感じ?」
展示会に向けた準備も始まり、仕事は日に日に忙しくなってきていた。
積み上がるタスクに呑み込まれないよう、毎日必死に食らいついて仕事に励んでいるけど、時には息抜きも必要だ。
そこで週末の今日、私は茉侑の家でネイルをしてもらった後、夕方から茉侑と2人で商店街で開催されている夏祭りに来ていた。
「きっと気分転換になるから」という茉侑の提案で、なんと浴衣まで着込んでいる。
浴衣を着るのは子供の頃以来、十数年ぶりだ。
白地に藍色の花柄が入った浴衣に袖を通した瞬間、茉侑が言った通り、ふわりと気持ちが浮き上がるのを感じた。
服装に合わせて、胸下まである髪もアップにし、メイクもいつもと変えてみる。
……大学生になるまで知らなかったけど、オシャレって気分を明るくしてくれるよね!
文字で表現するなら、ルンルンといった感じだろうか。
着慣れない浴衣にぎこちない足取りになりつつ、私達は商店街沿いに並ぶ屋台を色々と見て回った。
そして茉侑はかき氷、私はリンゴ飴を購入すると、賑わう人混みから少し離れたところに座る場所を見つけて腰を下ろす。
「――ええっ! ウソッ! “初恋の広瀬先輩”と同じ部署!? しかもアシスタントを担当することになった!?」
ゆっくり話せるタイミングが訪れ、私がここ最近のビッグニュースとして広瀬主任のことを報告すると、案の定、茉侑は目を大きく見開いて素っ頓狂な声を上げた。
今まで再会の驚きを誰とも共有できていなかったから、茉侑が共感してくれて私は嬉しくなる。
「ね! ビックリするでしょ?」
「するする! まるでドラマみたいな展開! えっ、どうだった? 昔の面影なくなっててガッカリしちゃったり!?」
「ううん、全然! 相変わらず素敵だったし、さらに大人の魅力も加わってて、ガッカリどころかスゴイなぁって! 営業部のエースって言われるくらい仕事もできるし!」
「うっわぁ〜、なにそれ! 漫画に出てくる完璧隙なしのイケメンヒーローじゃん!」
「うん。昔も今も、ホントそんな感じの人なの」
「それで? 憧れで、大好きだった、そんな特別な存在の人に再会して、遥香はまた気持ちが再燃しちゃった感じ?」