初恋の続きはトキメキとともに。
私達はぎゅーっとハグして、友情を確かめ合う。
かれこれ20年以上の付き合いだけど、茉侑が私の幼馴染で良かったと思う気持ちは、いつまで経っても色褪せない。
かき氷とリンゴ飴を頬張りながら、ひとしきりお喋りを楽しむと、私と茉侑はその場から立ち上がり、お祭りを後にすることにした。
最寄りの駅に向かって歩くたびに、カランと下駄の音が夜道に響く。
履き慣れない下駄だとやっぱり足捌きが難しい。
そう思って、私が浴衣の裾を少し持ち上げ足元に視線を落としたその時だ。
よそ見をしていたせいで、向かい側から歩いてきた人に軽くぶつかってしまった。
「………すみません!」
慌てて謝罪を述べ、体勢を立て直そうとしたところ、最悪なことに逆にバランスを崩しふらついてしまう。
足元が下駄だから踏ん張るのも困難だ。
マズイ、と焦った刹那、伸びてきた手にぐっと腕を掴まれた。
はっとして顔を上げると、よく見知った端正な顔が心配そうな表情でこちらを見下ろしていた。
「えっ……広瀬主任!?」
「………あれ? もしかして、南雲さん!?」
お互いに目を丸くして、唖然と顔を見合わせる。
相手が広瀬主任だと認識するやいなや、先程体を支えてくれた力強い手と、腕に伝わってきた温もりが蘇ってきて妙に意識してしまう。
予想外の遭遇と胸の騒めきに固まっていると、なにかを察したらしい茉侑がするりと助け舟を出してくれた。
「遥香、知り合い?」
「あ、うん! 同じ会社の先輩なの。……広瀬主任、すみませんでした。私のよそ見でぶつかってしまって。それと助けて頂きありがとうございました……!」
茉侑の言葉に促され、私は弾かれたように謝罪と御礼の言葉を告げた。
同時に改めて広瀬主任に目を向けると、会社の時とはまったく雰囲気が違うことに気づく。
半袖ニットとイージーパンツという、リラックス感のあるカジュアルな服装は完全に休日仕様だった。
……うわぁ、広瀬先輩の私服! 初めて見る!
この前の歓迎会の時も緩んだ気配を漂わせた広瀬主任にプライベートを垣間見た気がしていたが、今日は休日であり、正真正銘のプライベートだ。
見てはいけないものを見てしまった気分でドキドキしてくる。
かれこれ20年以上の付き合いだけど、茉侑が私の幼馴染で良かったと思う気持ちは、いつまで経っても色褪せない。
かき氷とリンゴ飴を頬張りながら、ひとしきりお喋りを楽しむと、私と茉侑はその場から立ち上がり、お祭りを後にすることにした。
最寄りの駅に向かって歩くたびに、カランと下駄の音が夜道に響く。
履き慣れない下駄だとやっぱり足捌きが難しい。
そう思って、私が浴衣の裾を少し持ち上げ足元に視線を落としたその時だ。
よそ見をしていたせいで、向かい側から歩いてきた人に軽くぶつかってしまった。
「………すみません!」
慌てて謝罪を述べ、体勢を立て直そうとしたところ、最悪なことに逆にバランスを崩しふらついてしまう。
足元が下駄だから踏ん張るのも困難だ。
マズイ、と焦った刹那、伸びてきた手にぐっと腕を掴まれた。
はっとして顔を上げると、よく見知った端正な顔が心配そうな表情でこちらを見下ろしていた。
「えっ……広瀬主任!?」
「………あれ? もしかして、南雲さん!?」
お互いに目を丸くして、唖然と顔を見合わせる。
相手が広瀬主任だと認識するやいなや、先程体を支えてくれた力強い手と、腕に伝わってきた温もりが蘇ってきて妙に意識してしまう。
予想外の遭遇と胸の騒めきに固まっていると、なにかを察したらしい茉侑がするりと助け舟を出してくれた。
「遥香、知り合い?」
「あ、うん! 同じ会社の先輩なの。……広瀬主任、すみませんでした。私のよそ見でぶつかってしまって。それと助けて頂きありがとうございました……!」
茉侑の言葉に促され、私は弾かれたように謝罪と御礼の言葉を告げた。
同時に改めて広瀬主任に目を向けると、会社の時とはまったく雰囲気が違うことに気づく。
半袖ニットとイージーパンツという、リラックス感のあるカジュアルな服装は完全に休日仕様だった。
……うわぁ、広瀬先輩の私服! 初めて見る!
この前の歓迎会の時も緩んだ気配を漂わせた広瀬主任にプライベートを垣間見た気がしていたが、今日は休日であり、正真正銘のプライベートだ。
見てはいけないものを見てしまった気分でドキドキしてくる。