初恋の続きはトキメキとともに。
気のない私の返事に茉侑はあからさまに残念そうな顔をしてため息を溢した。
「そう言わずにさぁ。遥香、そろそろまた彼氏作ってみなよ。大学時代のクソ野郎彼氏のことは忘れてさ!」
「そんなこともあったね……」
大学時代のことを話題に出され、私は当時の記憶を呼び起こす。
茉侑が“クソ野郎彼氏”と評した彼の顔も思い出そうとしてみた。
彼は私にとって初めての彼氏だったのだけど、もはやぼんやりとしか顔を思い出せない。
それくらい彼の存在は私の中で気薄だった。
……半年付き合っただけだもんね。
ただ、彼が最後に私に向けて発した言葉だけは今も深く胸に刻まれている。
ーー『俺が浮気したのはお前のせいだからな。遥香って見た目は可愛いけど、中身はつまんねぇから』
「浮気した上に、あんな酷い台詞言い捨てて、マジでクソ野郎だわ!」
「確かにあの台詞は今でも覚えてるけど、彼のこと自体は、茉侑が話題に出すまで忘れてたよ?」
これは強がりでも何でもなく、偽らざる本音だ。
正直なところ、彼に浮気されたことも、別れたことも、全然何とも思っていない――当時も今も。
唯一、中身がつまらないと言われたことだけは胸に刺さった。
図星を突かれて「やっぱり」と思ってしまったからだ。
というのも、私は大学生になるまで地味で冴えない、クラスでも目立たないような存在だった。
大学生になったタイミングでそんな自分を変えようと思い立ち、茉侑から教えてもらって少しずつメイクやオシャレを覚えたのだ。
だから彼の言葉を聞いた時、いくら外見を取り繕ったところで中身は変えられないと見抜かれた気がした。
「あんなヤツが言った台詞なんて遥香が気にする必要ないって! もう忘れちゃいなよ! 遥香は努力して可愛くなったんだし、中身だって優しくて努力家で真面目で……ともかく私は大好き!」
「ふふっ、ありがとう。私も茉侑のこと大好きだよ」
「あーー、マジで大学時代にあのクソ野郎と遥香が出会うキッカケを作っちゃった自分が許せないわ!」
「そう言わずにさぁ。遥香、そろそろまた彼氏作ってみなよ。大学時代のクソ野郎彼氏のことは忘れてさ!」
「そんなこともあったね……」
大学時代のことを話題に出され、私は当時の記憶を呼び起こす。
茉侑が“クソ野郎彼氏”と評した彼の顔も思い出そうとしてみた。
彼は私にとって初めての彼氏だったのだけど、もはやぼんやりとしか顔を思い出せない。
それくらい彼の存在は私の中で気薄だった。
……半年付き合っただけだもんね。
ただ、彼が最後に私に向けて発した言葉だけは今も深く胸に刻まれている。
ーー『俺が浮気したのはお前のせいだからな。遥香って見た目は可愛いけど、中身はつまんねぇから』
「浮気した上に、あんな酷い台詞言い捨てて、マジでクソ野郎だわ!」
「確かにあの台詞は今でも覚えてるけど、彼のこと自体は、茉侑が話題に出すまで忘れてたよ?」
これは強がりでも何でもなく、偽らざる本音だ。
正直なところ、彼に浮気されたことも、別れたことも、全然何とも思っていない――当時も今も。
唯一、中身がつまらないと言われたことだけは胸に刺さった。
図星を突かれて「やっぱり」と思ってしまったからだ。
というのも、私は大学生になるまで地味で冴えない、クラスでも目立たないような存在だった。
大学生になったタイミングでそんな自分を変えようと思い立ち、茉侑から教えてもらって少しずつメイクやオシャレを覚えたのだ。
だから彼の言葉を聞いた時、いくら外見を取り繕ったところで中身は変えられないと見抜かれた気がした。
「あんなヤツが言った台詞なんて遥香が気にする必要ないって! もう忘れちゃいなよ! 遥香は努力して可愛くなったんだし、中身だって優しくて努力家で真面目で……ともかく私は大好き!」
「ふふっ、ありがとう。私も茉侑のこと大好きだよ」
「あーー、マジで大学時代にあのクソ野郎と遥香が出会うキッカケを作っちゃった自分が許せないわ!」