初恋の続きはトキメキとともに。
「それでこれからは遥香とイケメン先輩は、彼氏・彼女になるわけだけど、社内恋愛でしょ? しかも部署も同じっていうかなり近い距離じゃん? その辺りどうするの?」
「社内では関係を隠そうって話になったよ。やっぱり周囲が気まずくなっちゃうだろうしね。……それにいつまで続くか分からないから」
「秘密の社内恋愛ってわけね! ドキドキじゃん! ってか、遥香! 最後の一言はなによ? 始まったばかりなのに後向きじゃない!?」
「だって……」
私は思わず言葉を濁した。
ありのままの本音を言えば、告白を受け入れて付き合うことになったものの、いまだに心の奥底では「これは広瀬主任の一時的な気の迷いではないか」と思っていたりする。
あんな美人で素敵な彼女と長年付き合っていた人なのだ。
私なんかでいいのか、という不安は依然として拭い去れない。
私は大学時代に付き合った彼にも「中身がつまらない」と言われるような女なのである。
そのうち広瀬主任も我に返り、去って行くような気がしていて、どうしても「終わり」を意識してしまう。
……でもこんな内心の葛藤を今茉侑に話すのは憚られるよね? せっかく初恋が実ったって喜んでくれてるんだし。
私は心の中でそう結論付け、今ばかりは幸せな気持ちに浸ろうと、あえて明るい話題を持ち出すことにした。
「ううん、なんでもない。……それより、実はね、明後日の日曜日に広瀬先輩とドライブデートすることになったの!」
「おっ! 初デート! いいじゃん、楽しみだね!」
「うん、もう今からすごいドキドキしてる……! どうしよう、寝れないかも!」
「あはは、遥香、可愛い〜」
それから30分くらい、私達の楽しいお喋りは続いた。
電話を終えた頃には、茉侑の明るさと前向きさに感化され、私も随分と気持ちが上向きになり、日曜日が待ち遠しくなっていた。
◇◇◇
――『駅に着いたよ。どこにいる?』
テーブルの上に置いたスマホが広瀬主任からのメッセージ受信を告げた。
そわそわしていた私は目にも留まらぬ速さでスマホを手に取り、急いで届いたメッセージを開く。
内容を確認するやいなや、ガタッと席を立ち上がり、駆け抜けるように駅前のカフェを後にした。
「社内では関係を隠そうって話になったよ。やっぱり周囲が気まずくなっちゃうだろうしね。……それにいつまで続くか分からないから」
「秘密の社内恋愛ってわけね! ドキドキじゃん! ってか、遥香! 最後の一言はなによ? 始まったばかりなのに後向きじゃない!?」
「だって……」
私は思わず言葉を濁した。
ありのままの本音を言えば、告白を受け入れて付き合うことになったものの、いまだに心の奥底では「これは広瀬主任の一時的な気の迷いではないか」と思っていたりする。
あんな美人で素敵な彼女と長年付き合っていた人なのだ。
私なんかでいいのか、という不安は依然として拭い去れない。
私は大学時代に付き合った彼にも「中身がつまらない」と言われるような女なのである。
そのうち広瀬主任も我に返り、去って行くような気がしていて、どうしても「終わり」を意識してしまう。
……でもこんな内心の葛藤を今茉侑に話すのは憚られるよね? せっかく初恋が実ったって喜んでくれてるんだし。
私は心の中でそう結論付け、今ばかりは幸せな気持ちに浸ろうと、あえて明るい話題を持ち出すことにした。
「ううん、なんでもない。……それより、実はね、明後日の日曜日に広瀬先輩とドライブデートすることになったの!」
「おっ! 初デート! いいじゃん、楽しみだね!」
「うん、もう今からすごいドキドキしてる……! どうしよう、寝れないかも!」
「あはは、遥香、可愛い〜」
それから30分くらい、私達の楽しいお喋りは続いた。
電話を終えた頃には、茉侑の明るさと前向きさに感化され、私も随分と気持ちが上向きになり、日曜日が待ち遠しくなっていた。
◇◇◇
――『駅に着いたよ。どこにいる?』
テーブルの上に置いたスマホが広瀬主任からのメッセージ受信を告げた。
そわそわしていた私は目にも留まらぬ速さでスマホを手に取り、急いで届いたメッセージを開く。
内容を確認するやいなや、ガタッと席を立ち上がり、駆け抜けるように駅前のカフェを後にした。