初恋の続きはトキメキとともに。
「おはようございます……! わざわざ私の家の最寄駅まで迎えに来て頂きありがとうございます」

「おはよう。そんなに遠くないから問題ないよ。あ、今日は南雲さんパンツなんだ。会社ではスカートが多いから雰囲気違うね」

「……へ、変ですか?」

「いや、全然? 会社と違うから新鮮だし、パンツ姿も似合ってて可愛いよ」

「あ、ありがとうございます……! その、広瀬主任も、カ、カッコいいです! そうだ、これ良かったらどうぞ。眠気覚ましにもなるかなと思って」

服装を褒められて面映く、私はうっすら頬を染めながら、誤魔化すように手に持っていたカフェのコーヒーを広瀬主任に手渡す。

御礼を口にして受け取った広瀬主任はコーヒーをドリンクホルダーに入れると、「じゃあ行こうか」とさっそく車を発進させた。

ここから目的地の七里ヶ浜までは、車で約2時間前後。

お昼頃に到着する予定である。

社内には関係を秘密すると決めたから、会社の人に出くわすのを避けるため遠出をすることにした。

今後のデートも、基本的には車で遠出か、もしくは家か、人目を避ける形になるだろう。

 ……社内恋愛は初めてだけど、慎重さは大事だよね。だって関係がオープンになってしまったら、終わりを迎えた時に大変だもの。

実際にオープンに社内恋愛をしていた人を知っているが、破局後は実に気まずそうだった。

ああいう事態を避けるためにも、デートに制限が出るのは仕方ない。

むしろ広瀬主任とデートできるだけで最高の贅沢だ。

「車内は寒くない? 大丈夫?」

「あ、はい。大丈夫です。お気遣いありがとうございます……!」

「もし寒くなったら遠慮なく言ってね。後ろにブランケットあるから」

柔らかな笑みを浮かべ、私を優しく気遣ってくれる広瀬主任に胸がキュンとする。

真剣な顔で運転している横顔もすごくカッコいい。

まだデートは始まったばかりなのに、すでにときめきポイントがたくさんあり、心臓が大忙しだ。

あまりじーっと見過ぎたら運転の邪魔になるかもしれないから、私はチラチラと広瀬主任の運転姿を盗み見た。
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