初恋の続きはトキメキとともに。
「合鍵があれば、遥香も自分の場所だって少しは思えるでしょ? それに今日みたいな日も外で待たせずに済むしね」

「合鍵……」

私は驚いて自分の手のひらを見つめた。

これは洸くんのテリトリーに自由に出入りする許可を得た信頼の証みたいなものだ。

それほど私に心を許してくれていると思うと素直に嬉しい。

その一方で、関係がまた一歩深く進む感覚がして怖くなった。

これ以上深入りしてしまったら、別れを告げられた時に耐えられないかもしれない。

「あと、この話の流れで、もう1つだけ言っていい?」

「あ、はい。……なんですか?」

「会う時いつも俺の家ばかりだから、今度は遥香の家に行ってみたい」

「わ、私の家、ですか?」

「付き合ってもうすぐ3ヶ月なのに、まだ1回も招かれたことないから。遥香が普段生活してる場所がどんなところか俺も見てみたいなと思って」

 ……やっぱり、私が家に招かないのも不自然に感じてたのかな……?

これも“意識的に”私がこれまで避けてきたことだった。

自分の生活の場に、洸くんを入れたくないからだ。

そんなことをしたら、この関係から抜け出せなくなる。

別れた時に絶対ツライ。

家の至る所でふとした瞬間に洸くんの姿がよぎり、生活がままならなくなる未来の自分が簡単に想像できてしまう。

「えっと、その、お恥ずかしながら……私の家、すっごく汚くて。とても人を呼べる状態じゃないんです。きちんと整理した暁にはお声がけしますね……! あ、そうだ。実は私もクリスマスプレゼントがあるんです!」

私はやんわりと断りを入れ、誤魔化すように懐からラッピングした包みを取り出した。

中身は生キャラメルとキャラメルクッキーの詰め合わせだ。

「お店で買ったものじゃないんで、キャラメル好きの洸くんの口に合うか心配ではあるんですけど……良かったらどうぞ」

「買ったものじゃない? ということは……」

「はい、私の手作りです。あ、一応私も作る時に味見したので変なものじゃないですから……! そこは安心してください!」

「ふふっ、そこは別に疑ってないよ。手作りのプレゼントなんて貰うの初めてだなと思って。しかも俺の好きな物も覚えててくれたんだ。嬉しいよ。ありがとう、遥香」
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