初恋の続きはトキメキとともに。
さっそく一粒生キャラメルを指で摘んで、洸くんは口に放り込む。

舌の上で転がし始めると、幸せそうに顔を綻ばせた。

その表情を目にしただけで「美味しい」と喜んでくれているのが伝わってきて、私まで嬉しさで胸がいっぱいになる。

「すごく美味しいよ。一気に食べてしまうのは、なんかもったいないな。残りは明日以降に残しておくよ」

言葉でもちゃんと「美味しい」と褒めてくれた洸くんは、包みの中に生キャラメルを片付けると、そっと私を引き寄せた。

そして頭を撫でながら、静かに髪に唇を落とす。

ドキッとした次の瞬間、今度は額へ、さらには頬へと柔らかな感触が落ちた。

息が触れるほどの距離で、視線が交差する。

すると洸くんは優しく微笑み……

「最後に、ここ」

その囁きとともに、唇が重なった。

 ……あっ、キャラメルの味がする。

頭の片隅でそう思った刹那、背中が柔らかな感触に沈み込んだ。

私はそのままキャラメルにも負けない甘く蕩けるような夜に身を委ねた。


いつのまにか夜は過ぎ去り、カーテンの隙間から朝の気配が差し込む。

洸くんの腕の中でハッと目を覚ました私は、慌てて時計に目をやった。

時刻は朝4時過ぎ。

まだ始発も動き出していない早朝だった。

昨夜はあのまま眠ってしまったようで、シャワーも浴びていない。

出社時間まではまだ余裕がある。

十分に身支度を整える時間があることに私はホッと息をついた。

「……ん、今、何時……?」

「あ、すみません。起こしちゃいましたか? まだ4時過ぎなのでもうひと眠りしても大丈夫ですよ」

「いや、大丈夫……。俺も、もう起きるよ」

ぼんやりとした目の洸くんは、掠れた声でそう言うと、乱れた髪を無造作にかき上げた。

寝起きの無防備さが漂う様子に、思わずキュンと胸が締め付けられる。

この朝の妙に色っぽい洸くんは、一夜を共にするようになってから初めて知った姿だ。

高校時代の私では知り得なかった一面に、毎回のことながら心を掻き乱される。

「タイマーにしておいたけど、まだ暖房効いてないな。まだ時間に余裕あるし、寒いから……しばらくこうさせてくれる?」

だいぶ意識がはっきり覚醒してきた様子の洸くんは、チラリとエアコンを確認した後、寝転んだまま私を抱き枕のようにギュッと抱きしめた。

触れ合った肌からは、ポカポカしたお互いの体温が心地良く伝わり合う。
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