幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「ああ、ひとまずは。でも、最後に一番大切な試練を乗り越えないと、本当の意味で修行を終えたことにならない」
「修行の次は試練?」
「そう。美葉、今週土日休みだろ? 付き合ってくれない?」
「その……試練に?」
「またの名をデートともいう」
デート……。その甘い響きに、頬がほんのり熱を持った。
なぜそれが試練に繋がるのかよくわからないけれど、断る理由がない。二週間も離れていたぶん、洸と一緒にいたい。
「行く」
素直にそう答えたら、次の瞬間洸の手が伸びてきて、私の背中を抱き寄せる。
「遊園地と水族館、どっちがいい?」
聞かれているのは普通のことなのに、耳元でささやかれるとドキッとしてしまう。
絶対赤くなっている顔を見られたくないと、洸の肩に顔を埋める。
「す、水族館かな……」
洸と行くならどちらも楽しいに決まっているけれど、ゆっくり話をするなら静かな水族館かなと思った。
修行とか試練というのはどういう意味なのかきちんと聞きたいし、紀佳に聞いた大学時代の話も気になる。