幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

「わかった。じゃあ水族館で。ゆっくり起きて、途中で昼済ませてから向かおうか」
「うん。……楽しみにしてる」
「俺も」

 なんだか今日の洸は、すごく穏やかだし言葉がまっすぐだ。彼への気持ちが疑惑から確信に変わりつつあるせいか、ちょっとしたひと言で胸がときめいてしまう。

「わ、私、お風呂入ってくるね」

 このまま抱き合っているとと自分がどうにかなりそうだったので、パッと洸から離れ、あまり目を見ずにそう言った。

「残念。俺はさっそくチケット予約しておくか……」

 洸はサラッとそう言って、テーブルに置かれていたスマホに手を伸ばす。

 ざ、残念って……私が離れたことが?

 修行の成果なのかそれとも他の理由なのか知らないけれど、洸の態度が明かに今までと違って、私は混乱するばかりだった。


 翌日。海浜公園に隣接した水族館は、カップルや家族連れでにぎわっていた。

 五月下旬ともなると陽射しが強く、薄手のワンピースでも少し暑いくらいだ。一応デートっぽさを意識して、甘めの花柄を選んだ。

 洸は七分袖のシャツにテーパードパンツを合わせている綺麗めコーデ。


 幼なじみかつ同僚だからどんな服装もわりと見慣れているけれど、自分の気持ちが違うだけでこうもキラキラして見えるのかと驚いている。

< 140 / 204 >

この作品をシェア

pagetop