幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「お待たせしました」
気持が通じ合い甘い気持ちに浸っていたところへ、頼んでいたパンケーキとコーヒーが届く。洸の方はバナナとチョコレートソース、ホイップがたっぷりという定番パンケーキ。
私のひと皿にはカットフルーツがたっぷりのっていて、甘い香りがテーブルの上に広がる。シェアするつもりのため、取り皿ももらった。
「美味しそう」
「どっちとも俺が切っていい?」
「もちろん。パンケーキの原型をなくしてもいいなら私がやるけど」
「……俺が執刀する」
「よろしく、洸先生」
料理下手な自分をコンプレックスに感じずに、むしろ楽しいやり取りに帰られるのも、相手が洸だからこそ。
彼にならどんな自分も否定されないとわかっている安心感は、何物にも代えがたい。
「バナナの数が割り切れないな。美葉、あーん」
ふいに、フォークに刺したバナナを口元に差し出され、ドキッとして慌てた。
テラス席には他にも数組のお客さんがいて、誰も私たちの方なんて見ていないだろうとは思いつつも、さすがに〝あーん〟は恥ずかしい。
「い、いいよ。洸が食べなよ」
「せっかく友情結婚やめたんだから、夫婦っぽいことさせてよ」
「別に、夫婦だからって人前でアピールする必要は……」
「ダメ? まぁ、美葉が嫌なら無理強いはしないけど」