幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
幼なじみの花嫁になりました

 小森さんのお母様がバイパス手術を受けてから、およそ二週間。お母様は順調に回復し、無事に退院が決まった。

 そのことを私に教えてくれたのは、たまたま昼休みの食堂で一緒になった竜崎先生だ。

 彼はお母様が倒れてから精神的疲労が溜まっていた小森さんを、ずっとそばで献身的に支えていたそう。

「自分の仕事だって忙しい中、簡単なことじゃないよ。頑張ってるね、竜崎先生」

 私が感心してそんな言葉をかけると、彼は恐縮して首を左右に振った。

「いや、そんな褒められるようなことはしてないっす……。とりあえずうざいくらいメッセージ送ったり、家にメシ届けたり。かなり一方的に善意押し付けてたってだけで」

 小森さんのこととなると、竜崎先生はちょっぴり弱気な態度になる。ずっと彼女にアプローチを続けているものの冷たくあしらわれているばかりだから、望み薄だと思っているようだ。

「自分を気にかけてくれてる人がいるってだけでも、小森さん、ありがたかったと思うよ。お母さんが退院して小森さん自身の元気も戻ってきたら、またデートに誘ってみたら?」
「ですね。俺の片思いのお手本は洸先生なんで、長期戦覚悟で頑張ってみます」
「応援してる」

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