幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「そういえば章くん、私たちの結婚式を見たら、その足でアメリカに帰っちゃうんだって?」
洸の運転で家に帰る途中。私は数日前に章くん本人から聞いた話を思い出し、洸に尋ねた。
「ああ。そうらしい」
「半年ちょっとしか日本にいられないなんて、忙しないね。また向こうの病院からお呼びがかかったのかな?」
章くんらしいといえばらしいけれど、久々に会えたのに数カ月後にはもうお別れだなんて残念だ。
「それもあるかもしれないけど……やっぱり、一カ所に留まっていられない性格なんじゃないかな。今回は、俺が帝応大から実家の病院に戻って、ちゃんとやれてるのかって見に来たのもあったんだと思う」
「なるほど……弟が心配だったんだね」
それに、私のこともきっと妹のように思ってくれている。洸との結婚生活について、色々心配してくれていたみたいだし。
「でも、俺のそばには美葉がいるし、両親も健康。病院の経営もなんとかうまく回ってる。それで、自分はここにいなくても大丈夫だと判断したんじゃないかな」
「さすらいのドクターだね。カッコイイ」
「……俺は?」
章くんを褒めると未だにちょっと微妙な顔をする洸。あからさまな嫉妬がかわいくて、つい意地悪したくなる。