幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

 気心が知れすぎているほど長い付き合いの私たちは、その後も結婚生活の中で大きな衝突などなく、平和に結婚式までの日々を過ごした。

 そして、秋も深まった十一月の中旬。

 朝からばっちりプロにヘアメイクを施されて花嫁姿になった私は、ゲストがウェルカムドリンクを楽しんでいるロビーをフラフラと歩き、新郎の姿を探していた。

 洸と私の希望を合わせて選んだドレスは、落ち着いたマーメイドラインのドレス。長袖のレースが繊細な印象で、背中の方にも透け感はあるものの、素肌は見えない清楚なデザインだ。

「ねえ、洸知らない?」

 ドレスの裾を持ってくれる介添人の女性を連れながら声をかけたのは、ふたりで一緒に受付の仕事をしてくれている竜崎先生と小森さん。

 あれから交際をスタートさせた彼らは、時々病院で喧嘩している姿を見るものの、基本的にはうまくいっているようだ。

 顔を見合わせた彼らは、少し考えてから「見てないです」と言う。

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