幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
挙式の時間を迎えるとホテル自慢のチャペルに移動して、厳かな雰囲気の中、愛を誓い合った。
職業柄、私たち夫婦はどちらも指輪をつけられないけれど、この日のために用意した指輪を神父さんの前で交換すると、ちゃんと夫婦になったんだなという実感で、胸が熱くなった。
誓いのキスは私が恥ずかしいからと頬にお願いし、家族や友人、たくさんの病院関係者に見守られながら、滞りなく式を終える。
次はカラードレスに着替えて写真撮影。こちらも露出は少なめだが、ベビーピンクが若々しい印象でお気に入りだ。
そして、休む暇もなく披露宴会場へ。そのバタバタさえ楽しみながら、特別な一日を噛みしめる。
「私は麻酔科の部長としてふたりをよく見てきましたが、彼らがチームを組んだオペはとても速く正確です。しかしある日、緊張感の漂うオペの最中に新郎の洸先生が『みよちゃん』と口走ってしまったそうなんです。その時現場にいたスタッフ全員、家ではそう呼んでるんだ!と思ったそうですよ」
披露宴では、ほろ酔いの八家先生のスピーチに、会場がどっと盛り上がった。
息子の失態を初めて知ったらしい高比良院長も〝参ったな〟と言いたげに苦笑している。