幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

「みんなの前で暴露されちゃったね」
「……まぁ、事実だから仕方ない。でもあれ以来言ってないだろ」
「だね。一応気を付けてるんだ」
「一応じゃない。結構神経使ってる」

 洸が真面目な顔でため息を吐く。そうまでしないとうっかり『美葉ちゃん』と呼びそうになるのだと思うと、本人には悪いけれど小さく笑ってしまう。

 その後もキャンドルサービスやケーキ入刀など定番のプログラムを順に終え、たくさんの人たちと記念写真を撮る。

 そして、披露宴も終盤に近付いてきた頃、章くんがこの日のために編集してくれた動画が、大きなスライドに映し出された。

【洸 美葉 結婚おめでとう】

 オルゴールアレンジの優しいBGMとともに、そんな文字が現れる。

 次に映し出されたのはなにやらとても古そうな映像で、背景は公園のよう。

 もしかしたら、洸と結婚するきっかけにもなったあの夜に立ち寄った、桜とブランコのある公園ではないだろうか。実家のマンションからも近いし。

 最初に映った人物は、若い頃の洸のお母さんだった。ということは、撮影しているのは院長だろうか。

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