幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

『うわあぁぁぁん、いたいぃぃぃいぃぃ』

 小さな両手で頭を抱える姿が、いじらしいことこの上ない。

 洸のお母さんが「あらあら」とのんびり言って洸に歩み寄る足音がしたが、その前に洸に駆け寄ったのは私だった。

 すかさずしゃがんで洸をブランコから離し、自分よりひと回り小さい洸の体をギュッと抱きしめて、頭をさすってあげていた。

『みよちゃ……、いたい、ブランコ、こわい』
『うん、こわかったね。つぎ、すべりだいか、すなあそびしよ?』
『……すな。やる』
『もうなかない?』
『なかない』

 涙を引っ込めて頷いた洸に、撮影者の院長が『おー』と感心する声が入っている。

『すごいなぁ美葉ちゃんは。あの泣き虫をなだめるなんて』
『章はお兄ちゃんなんだから少しは美葉ちゃんの面倒見の良さを見習ってほしいわよ。全然気にしてないんだから』

 呆れたようなお母さんの声の後、カメラがとらえたのはブランコをびゅんびゅん立ち漕ぎする章くんの姿。どうやら昔から自由な人だったらしい。

 兄弟の対比がおもしろくてクスクス笑っていると、映像が別のシーンに切り替わる。

 カメラに映っているのは緑の多い、自然豊かな場所だ。近くで川が流れているような水の音もする。

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