幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「いい天気だな」
「そうですねぇ」
話が弾んでいるとは決して言えないが、束の間ののんびりした時間を堪能する。
降り注ぐ日差しに目を細めておにぎりを味わっていたら、洸が不意に視線をこちらに向けた。
「……で。いつする? 結婚」
まさか突然その話題に触れるとは思っていなかったので、ご飯粒が気管に入ってげほっとむせてしまう。慌ててお茶をごくごく喉に流し込んだ。
「あれって……本気、なの?」
「当然だろ。俺はいつでもいいから」
「ちょ、ちょっと待って。いつでもと言われても……」
ずいっと顔を近づけてくる洸から逃れるように、お尻を少し横にずらす。それでも見つめられたままなので、心臓が高鳴る。
この状況、いったいどうしたら……?
ちょうどその時、洸の白衣のポケットで院内用のスマホが鳴る。彼はスッと立ち上がると、スマホを耳にあてた。
「はい。……わかりました。すぐ向かいます」
最小限のやりとりで通話を切り上げる彼を見て、なんとなく状況を察する。