幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
洸に車を出してもらい、子どもも診てくれる夜間救急センターを受診すると、親子そろって風邪の一種であるRSウイルスの感染が確認された。
私はともかく、まだ三カ月の心暖がとても心配だったのだけれど、熱以外の咳や鼻水の症状がそれほどひどくなく、酸素飽和度の低下も見られないとのことで、入院の必要はなく自宅療養という判断になった。
私も洸も医者だけれど、小児科は専門外。やはり、ちゃんと専門の先生に『大丈夫』と言われると、安心感を覚えた。
「よかった……。本当にホッとした」
帰りの車の中で、チャイルドシートで眠る心暖の顔を覗き込みながら、しみじみと呟く。
「子どもの……とくに、乳児の発熱は怖いよな。さっき心暖の体温が熱いと思った時、俺も内心かなり焦ってたよ」
「今回は大丈夫だったけど、風邪から肺炎になっちゃう子もいるし、洸がすぐに気づいてくれてよかった」
「美葉だって、体調が万全ならすぐ気づいただろ。日頃の疲れもきっと溜まってたんだ。家までもう少しかかるから、心暖と一緒に少し寝たら?」
「……うん。じゃあ、お言葉に甘えてそうさせてもらうね」
後部座席の背もたれに身を預け、目を閉じる。
心暖が重症でなかったこと、そして洸がそばにいてくれる安心感で胸のつかえがとれたせいか、マンションにつくまでの間、私はぐっすり眠ることができた。