幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

「いや、ちょっと待て。今、〝保育園には〟って言ったぞ。……心暖、他の場所に好きな奴がいるんじゃないのか?」
「うん。パパせいかい~」
「それはどこの誰だ?」

 もはや警察の取り調べのごとく緊迫した雰囲気で、洸が心暖に詰め寄る。

 そこまでしなくても……と思う一方、心暖に好きな子がいるんだとしたら、どんなタイプの男の子なのか私も気になる。

 心暖は三歳児ながら恥じらう乙女のようにモジモジとした仕草を見せると、ふいにカメラを向けている私の方を見た。

「はずかしいから、ママだけにいう」
「えっ、心暖、パパには……っ?」

 引き留めようとする洸に構わず私のところまで駆けてきた心暖は、私にしゃがむよう促すと、私の耳元に顔を近づけて、口元を隠すように両手で覆った。

「あのね、こはるのすきなひとはね……」
「誰誰? 教えて?」
「たかひらしょうくん」

 ……そんなお友達保育園にいたかな。

 一瞬考え込みそうになったが、すぐに気づいた。高比良章。洸のお兄さんの章くんではないか。

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