幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

 子どもの頃からずっと好きだったなんて正直に暴露したら、現在のクールなキャラが偽物だとバレてしまう。だから、美葉が逃げられないよう外掘りを埋め、彼女の心がきちんと俺の方を向いてからじゃないと、本音は伝えられない。

 気持ちを伝えずに結婚してもらうにはどうしたらいいか。すでに色々と策は考えているので、後は実践するのみ……。

 そんなことを考えていると、手の中でふいにスマホが鳴った。受信したのは、たった今心に思い描いていた美葉からのメッセージだ。心臓が一度大きく脈打つ。

【封筒の中身、見たよ。私たち、本当に結婚するの……?】

 メッセージの内容は、だいたい予想通りだった。

 とりあえず美葉の反応が拒絶ではなかったことにホッとしつつ、返信を打つ。

【結婚したいって言ってただろ】

 ポン、と画面に触れて送信する。既読はすぐについた。

【言ったけどあの時は酔ってたし……】

 美葉は決して『結婚したくない』とは言わなかった。そこにはきっと女性としての切実な葛藤があるのだろう。

 弱みに付け込むようで罪悪感があるものの、美葉を手に入れるためならどんな隙も逃すつもりはない。

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