幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
【酔ってる時に出る言葉は本音だって俺は思う】
【そうかもしれないけど……だからって幼なじみと結婚するなんておかしくない?】
【おかしくない】
俺はそのメッセージを送った直後、スマホの上で指を動かし、あらかじめ保存していたネット記事のURLを美葉へのメッセージに貼り付けた。
【美葉と俺が結婚するならこんな形もいいんじゃないかと思う。リンク先の記事読んでみて】
それは、美葉を口説き落とすために色々調べているうちに見つけた、〝友情結婚〟に関する記事だった。
普通の恋愛結婚は自分にとってハードルが高いと感じる男女が、恋愛感情や肉体関係なしに結婚する、新しい夫婦の形。
恋人同士のような触れ合いを排除したこの結婚形態であれば、気心の知れた幼なじみの俺は、むしろ夫に適任。彼女ならきっと俺を選んでくれる。
しかし、もしも普通の恋愛結婚を望んでいたらこの提案はむしろ失敗かもしれない……。
そんな期待と不安が、彼女から返事が来なくなった数分の間に、胸の中で激しく入り乱れる。
居てもたってもいられず、メッセージの入力欄に【読んだか?】と打ち込み、送信マークをタップしようとしていたその時。
メッセージアプリを通じて、美葉から電話がかかってきた。緊張感を覚えつつ、すぐに応答する。