幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「改めて、これからよろしくね。洸」
「こちらこそ」
熱烈な恋愛を経てゴールインするのもいいけれど、幼なじみ同士だからこその心地よさを保って一緒になった私たちも、いい夫婦になれるんじゃないかな。
仕事の話や昔の思い出話に花を咲かせつつ、洸と美味しいお酒を飲んだその夜。
決して負け惜しみを言っているわけでもなく開き直っているわけでもなく、純粋にそう思った。
週明けには、職場への結婚報告という大仕事が待っていた。
できるだけサラッと報告して平常通り仕事をしたいというのが正直なところだったけれど、そう私の思い通りにはなってくれなかった。
「えっ。洸先生と結婚? 雪村美葉改め高比良美葉になったってこと?」
昼休みを迎え、少しのんびりした空気の流れる麻酔科のオフィスに、八家先生の声が響き渡る。
上司の彼だけには先に伝えておき、他の先生方には追々伝えればいいかと思っていたのに、八家先生の子が大きいのですでにオフィスの注目を集めてしまった。
「そ、そうです。職場では雪村姓を使うつもりなので、とくに変化はありませんが……」
「おーいみんな! ビッグニュースだ!」