幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「今後、ソロキャンプは二度としないでくれ」
「えっ?」
「女性がひとりで防犯性ゼロのテントに寝泊まりするなんてあり得ない。野蛮な狼たちにとって格好の餌食だ」
「や、野蛮な狼……?」
それって、キャンプ場を利用する男性客のことだろうか。洸はどうやら私の身を心配してくれているようだ。
確かに女性のソロキャンパーをナンパする男性がいるという話は時々耳にするものの、少し過保護ではないだろうか。
「私が行くところはテントを張る場所が管理棟と近いし、ファミリー向けのキャンプ場だからそんなに心配しなくて大丈夫じゃないかな? なによりもう予約しちゃってるし」
「キャンセルすればいいだけだろ。料金なら俺が払う。とにかくソロキャンプは絶っっっ対にダメだ。それでも美葉がどうしても自然の中でリフレッシュしたいって言うなら……」
洸がふいにスウェットのポケットからスマホを取り出し、なにか調べ始める。
横からひょい、と一緒に画面を覗くと、彼が見ていたのはキャンプ場の中でも少しグレードの高い、グランピング施設のようだった。