幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「わ、すごい部屋」
写真に写るドーム型の室内にはリゾートホテルのような天蓋付きのベッドが鎮座している。壁から天井にかけて一部がクリアな窓になっており、夜はベッドに寝そべったまま星空が堪能できるらしい。
別の写真には、開放感のあるテラスでバーベキューをする人々の姿もあった。
「こういう場所になら行ってもいい。ただし、俺同伴で」
「えっ。同伴? でも洸、なにか用事があったんじゃ……」
「俺は美葉の夫だ。妻の身を守ることより重要な用事なんてない」
私の目を真っすぐに見つめて言いきった洸。まるで恋愛感情があるかのような甘いセリフに、鼓動がドキッと鳴る。
友情結婚とはいえ、きちんと婚姻届を提出して夫婦になったから、義務感に駆られているのだろうか。
私を守ろうとしてくれている気持ちは嬉しいけれど、洸が無理をしているのではないかと心配になる。
「わ、私なら大丈夫だよ? それに、今から別のところに泊まろうとしても予約はどこもいっぱいだと思うし」
「安心して。アテならある」
洸はそう言うと、素早くスマホを操作してどこかに電話をかけ始める。スマホを耳にあてながら立ち上がり、私に会話を聞かせないようになのか、廊下の方へ向かう。