幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
進学を機に長い間離れることになるなら、その前に告白すべきじゃないのか。
しかし、万が一断られた場合、これまで築いてきた幼なじみの関係まで失うかもしれない。そうなったら、俺はとことん闇落ちする自信がある。
告白をなかなか決断できずに、それでも美葉のそばで毎日恋心を募らせていたある日。
放課後、彼女と一緒に帰るために美葉のクラスを覗いたら、美葉は仲のいい女子と教室にふたりで残り、楽しそうになにか話していた。
『彼氏欲しいけど、今年はうちら受験だからあんまり遊べないよね~』
『でも、彼氏がいるってだけで、その存在を励みにして勉強頑張れそうな気もしない? 会えなくても心の支えになるような、自立した関係って理想だな』
そう発言したのは美葉だ。
さすが、みよちゃん。当時はまだ親愛の情をこめてそう呼んでいたから、心の中でも彼女をそう呼びかけ、手元で小さな拍手を送る。
『美葉、オットナ~』
美葉の友達が感心したように言う。
本当に、みよちゃんはカッコいい。やっぱり好きだし、告白したい。
ふたりの会話を聞いているうちに気持ちが昂ってきた俺は、帰り道でその思いを告げようと決め、意気揚々と彼女たちのいる教室に足を踏み入れようとした。