幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

 医学部の学生を見つけては学年と、雪村美葉について知っているかどうかを尋ね、該当する学生には個別に話を聞く。

 相手が男子ならわかりやすく『彼女に手を出したらただじゃ置かない』と釘を差し、女子であれば、美葉がどんな大学生活を送っているかなど、ありとあらゆる情報を教えてもらった。

 当然、美葉の幼なじみである俺がこんなふうに彼女の周りを嗅ぎまわっていることを本人には口外しないと約束してもらった上でだ。

『雪村さんでしょ? 綺麗だよね~。男子も騒いでた』
『東京出身だしお洒落で垢抜けてるよね。だからってお高く止まってないし、教授たちからも好感度高め』
『おまけに成績も優秀。すごいねって本人に言ったら、『その代わりに恋愛偏差値が底辺なんだよ~、あはは』って自虐してて、私も好きになっちゃった。なんていうか、全然嫌みがないんだよね』

 美葉は容姿も人柄も総じて絶賛されており、幼なじみとして誇らしくなる。

 しかし、そこまで万人に好かれているということは、彼女を狙う不届きな輩もひとりやふたりではないだろう。

 俺が直接的に守ってやれない今、美葉の周囲にいる彼女たちにも協力してもらう必要がある。

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