幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

「ねえ、写真撮ろうよ。夫婦で初めて遠出した記念に」

 美葉は話しながら、身に着けたショルダーバッグに手を入れてスマホを探している。

「いいけど、水の中に落とすなよ、スマホ」
「大丈夫。あ、私たちがもっとくっつかないとダメか……」
「俺がそっち行く」

 水の中を注意深く移動し、美葉のそばに寄り添う。背の高い俺がスマホを持った方がうまく撮れそうだからと、美葉のスマホを預かった。

「セルフタイマー、三秒でいいか?」
「うん。ほら洸、笑って笑って」
「いいから前向けって」

 カシャッとシャッター切る音がして、写真が保存された。美葉がすぐに仕上がりを確認し、ふっと微笑む。

「いい写真」

 そこに映る俺たちは、まるで相思相愛のカップル。

 特に美葉のかわいさが限界突破していて、待ち受けにしたい……!と、内心悶える。

 が、そんな心境はおくびにも出さず、そっけなく告げる。

「……後で俺にも送っといて」
「了解。そろそろ上がろっか」

 美葉と手を繋いで岸に上がると、彼女を手ごろな岩に座らせた。その前に跪き、白く綺麗な足をタオルで丁寧に拭う。

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