幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

「次は洸の番ね。私だけ女王様みたいで恥ずかしいから」
「俺は自分で適当にやるからいいよ」
「ダーメ。ほら、交代」

 幼い頃、俺の父に意見してくれたのと同じようにきっぱりとした態度で、サンダルを履き直した美葉が、今度は俺を岩に座らせる。

 彼女の前に足を投げ出すのはかなり抵抗があったものの、美葉は甲斐甲斐しく水を拭きとってくれる。

「でっかいねー、足。何センチ?」
「……二十八」
「それじゃ大きいわけだ。はいっ、できた」
「……ありがとう」

 靴と靴下を履き直し、宿泊用のドームが並ぶエリアへと引き返す。

「はしゃいだからかな、お腹すかない?」
「はしゃいだのは美葉だけだろ。でも、腹は減った」
「もうバーベキューの準備しちゃう?」
「そうだな。……結構時間かかるだろうし」

 かわいくて頼りがいがあって、基本的には非の打ちどころのない美葉だが、昔から彼女が苦手とするものがひとつだけある。

 それは――。

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