幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

「……今日、楽しかったか?」
「もちろんだよ。私、笑ってばっかりいたでしょ?」
「ならよかった。少し気にしてたんだ。強引にふたりで来ることにしちゃったから」

 確かに、今日は元々私ひとりでソロキャンプしようと思っていた。でも、洸が女性ひとりでテントに泊まるなんて危ないと言って反対したから、一緒にグランピングすることになったんだよね。

 そういえばあの時、『新婚旅行だと思えばいい』だなんて言われてドキドキしちゃったな。

 もしかしたら、部屋にはベッドがひとつしかなかったり……? なんて想像までしていたのだけれど、昼間チェックインした時、ベッドがきちんとふたつ並んでいるのを確認してホッとした。

 ホッとしたはずなのに……なんだか今は、もう少し洸のそばに行きたいような気がしている。別々のベッドに寝そべって話しているという微妙な距離がもどかしい。

 友情結婚には必要ない感情だから、口には出さないけれど。

 その代わり、洸を安心させるように微笑みを向けた。

「ひとりよりふたりの方が絶対に楽しかったよ。だから、むしろ感謝してる」
「……俺も。美葉のおかげで楽しかった。ありがとう」

 静かな部屋で彼と見つめ合い、言葉を交わしているだけで、鼓動がトクトクと速まっていく。

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