幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家

 な、なんで……!?

 パニックに陥りながら、彼を起こさないようにそっとベッドから抜け出す。

 洸は熟睡しているようで、無防備な顔で寝息を立てている。

 寝相が悪いだけ……? それとも一度トイレに起きて、自分のベッドと間違えて入ったとか?

 どちらかというと後者の方がありそうかも。うん。きっとそうに違いない。

 無理やり自分を納得させ、キッチンでコップ一杯の水を飲む。それから足音を殺して、もう一度自分のベッドに近づく。

 この状況……逆に私が洸のベッドで寝れば、お互い広々とスペースを使えるのはわかっている。変なドキドキだって感じなくて済む。

 ……でも。

 私は心の奥から湧いてくる衝動に従って、洸が眠っている自分のベッドへと戻ることにした。一度布団を持ち上げ、彼の隣に体を滑り込ませる。

 洸の体温でベッドの中は暖かかった。

 ……ドキドキするけど落ち着く。やっぱり、長い付き合いだからかな。

 少しだけスペースを開けて横向きに姿勢を定め、洸が寝ているのをいいことに顔をじっくりと観察する。

 病院でも私生活でも〝カッコいいな〟と思うことが増えてきたけれど、こういう時の彼は少し幼い。弟みたいだったあの頃のかわいさを思い出し、母性本能をくすぐられてしまう。

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