幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「みよ、ちゃん……」
目を閉じたままの洸が、甘えるような声で呟く。
やばい、起きた……?
じっくり寝顔を見ていたことが気まずくて、ぐるりと体を反転させる。
しかし、それ以降洸が声を発することはなかったため、おそるおそる首を後ろに動かした。その直後――。
「もっと……こっち、きて」
そんな言葉と共にウエストをグイッと抱き寄せられ、ベッドの中でバックハグされている状態になってしまう。完全に密着した状態にかぁっと全身が熱くなり、戸惑いながら後ろの洸にそっと問いかける。
「こ、洸? 起きてるの……?」
返事がない。代わりに聞こえてきたのは、規則的な寝息。しかし、その吐息が微妙に首筋に当たってくすぐったい。
「ね、寝られないんですが……」
小声で訴えてみるものの、洸は熟睡モード。それでいて、お腹に回された腕はがっちり固定されてほどけない。
こ、こういう状況は小さな頃もあったよね。
慣れてるはずなんだから、平常心、平常心……。
私はつとめて背後の洸を意識しないよう、体を硬くしてギュッと目を閉じた。