私の理想の王子様
「実はこの一年で私の仕事ぶりを編集長が評価してくれて。初めて巻頭を任せてもらえることになったんです。うちのタウン誌の配布地域はボウ・ボーテさんの商圏ですし、御社にとってもすごくメリットはあると思います」

 さすが営業職らしく、自信たっぷりに話すミチルに朝子は心の中で感心する。

 確かにこの一年で、ミチルが驚くほどに成長したのは今の目つきを見るだけでわかった。


 朝子は再び資料に目線を落とすと、見本のタウン誌をパラパラとめくる。

 このタウン誌は地下鉄のラックなどで配布しているもので、その地域のお店の情報が掲載されていたり、特別クーポンがついていたりして確かに人気なのは知っていた。

(毎月、配布時期には、これを手に持って出社する人も見かけるもんね)

 朝子は再び表紙に目を向ける。


 今月号は美容室がメインで取り上げられているようで、表紙にはモード系の女性がポーズを決める写真が掲載されており、なかなかにインパクトのあるものだった。

 じっとそれを眺めていた朝子ははっと目を開く。

 『ドカンとインパクトのある』

 由美の言葉が頭の片隅に浮かんだ。

 もしかしたらこの表紙でインパクトのある演出ができれば、大きな話題になるかも知れない。
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