私の理想の王子様
「ミチルさん! 一度社内で検討させてもらってもいい?」

 興奮したように顔を上げた朝子に、ミチルは「ぜひお願いします!」と表情を明るくする。

 それからは依頼内容を詳しく聞かせてもらった。

 タウン誌だからか、スケジュールは意外にタイトで、年明け早々には発行される号の掲載だと知った。


「私、表紙を担当させてもらえるようになったら、絶対に最初は朝哉さんがいいって思ってたんです」

 しばらくしてミチルが静かに口を開き、朝子は驚いたように顔を上げた。

「朝哉さんは私を変えてくれたんです。今の私があるのは、朝哉さんとの出会いがあったからです」

 ミチルの真剣な眼差しに、朝子は気恥しくなりながら肩をすくめる。

「今は朝子だけどね」

 朝子が冗談めかして言うと、ミチルは「きゃは」と声を上げる。

「あ! そうでした! 私ったらつい」

 顔を真っ赤にするミチルと、あははと声を上げて笑い合う。

 ミチルが朝哉との出会いを、そんな風に思ってくれていることが本当に嬉しかった。

 するとしばらく顔を見合わせて笑った後、ミチルがほっとしたような顔を覗かせる。
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