私の理想の王子様
初めての異業種交流会
朝子は後部座席に座ると、隣に座った女性と助手席に座ったイケメンの横顔にそっと目線を添わせる。
タクシーに乗り込む前、イケメンは須藤瑛太、女性は中里ミチルという名前だと知った。
「あ、あの、お名前を伺ってもいいですか?」
ミチルは、さっきから朝子のことをチラチラと上目づかいで見ている。
朝子は困ったように頬を指で小さく掻くと「えっと」と声を出した。
「田野倉……朝……」
「朝?」
ミチルが期待のこもった瞳を朝子に覗かせる。
朝子はやや目線を動かすと「朝……哉。朝哉です」と小さく声を出した。
助手席に座る須藤は、窓の縁に肘をついて外に目線を向けたまま動かない。
「朝哉さん! 素敵なお名前ですね!」
するとミチルはパッと瞳を輝かせると、両手を胸の前で合わせた。
(咄嗟に朝哉って言っちゃったけど、違和感なかったんだ……)
ミチルと須藤の反応に、朝子はややほっとした様子で息をつく。
しばらくして、タクシーはイベント会場のレストランの前に到着した。
会場はさすが三ツ星シェフのレストランというだけあって、お店の前には庭園が広がっており、その先に全面ガラス張りの店舗が見えた。
タクシーに乗り込む前、イケメンは須藤瑛太、女性は中里ミチルという名前だと知った。
「あ、あの、お名前を伺ってもいいですか?」
ミチルは、さっきから朝子のことをチラチラと上目づかいで見ている。
朝子は困ったように頬を指で小さく掻くと「えっと」と声を出した。
「田野倉……朝……」
「朝?」
ミチルが期待のこもった瞳を朝子に覗かせる。
朝子はやや目線を動かすと「朝……哉。朝哉です」と小さく声を出した。
助手席に座る須藤は、窓の縁に肘をついて外に目線を向けたまま動かない。
「朝哉さん! 素敵なお名前ですね!」
するとミチルはパッと瞳を輝かせると、両手を胸の前で合わせた。
(咄嗟に朝哉って言っちゃったけど、違和感なかったんだ……)
ミチルと須藤の反応に、朝子はややほっとした様子で息をつく。
しばらくして、タクシーはイベント会場のレストランの前に到着した。
会場はさすが三ツ星シェフのレストランというだけあって、お店の前には庭園が広がっており、その先に全面ガラス張りの店舗が見えた。