私の理想の王子様
「誰かにね『君に興味がある』って言われたら……それって、どういう意味だと思う?」

 わざと声を抑えるように話す朝子に反して、智乃は瞳を輝かせると「きゃー」と叫び声を上げる。

「そんなの! 恋愛感情があるって意味に決まってるじゃないですか!」

「え!? そ、そうなの?」

「そうですよ! よく言うでしょ? 『なんか気になるー』って。あれってもう、好きってことですからね! 私だったら告白だと思っちゃいますね」

 腰に手を当てて大きくうなずく智乃に、朝子は「そうなんだ……」と口の中でもう一度つぶやいた。

 つまり須藤は、朝子に恋愛感情を含んだ興味を持っているということ?


(でも……ちょっとまって……)

 朝子はふと顔を上げる。須藤は朝子に興味があると言った訳ではなく、朝哉に興味があると言ったのだ。

(……ってことは、須藤さんは男装メイクをした朝哉に、恋愛感情があるってことになるじゃない)

 それであれば、須藤の恋愛対象は同性ということになる。

(つまりは、朝子の恋のライバルは朝哉ということ? って、いやいや、まだ好きって訳じゃないし)

 だんだんと頭の中が混乱してくる。
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