私の理想の王子様
 すると一人で悶々と考える朝子を横目で見ながら、智乃が「いいなぁ」とほくそ笑みながらパスタを頬張った。

「私だったら、確認しちゃいますけどねぇ」

「確認って……もう一度会って聞くってこと?」

「そりゃあ、会わなきゃ始まらないじゃないですか!」

 智乃は驚いたような声を出すと、勢いよく振り返って朝子を正面から見つめる。


「いいですか、朝子さん。恋愛も仕事も、ここぞって時の決断と行動がすべてを決めるんですからね! 動くなら今です!」

 まるで演説でもするかのように、固く拳を握り締める智乃に、朝子はのけ反りつつも、つられるようにうなずいた。

 確かに智乃の言う通りかもしれない。

 ここで一人悶々と悩むより、相手にぶつかってみないと何もわからない。

 気になるのなら、もう一度、須藤に会って確かめればいい。

(自分の気持ちも、須藤さんが何を考えているのかも含めて、ちゃんと確かめればいいんだ)

 朝子は自分もぐっと拳を握り締めると、もくもくと湧き上がるやる気とともに明るく顔を上げた。
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