私の理想の王子様
するとその時、テラスの扉が開き「あー、いたいた」という柔らかい声が聞こえてきた。
「ミチルちゃん、幹事のみんなが探してるよ」
そう声をかけてきたのは須藤だ。
ミチルは須藤の声に弾かれたように顔を上げると、「はい!」と勢いよく返事をする。
「朝哉さん、じゃあまた後で」
ミチルはぺこりと大きく朝子に頭を下げると、潤んだ瞳を隠すように、走って室内へと戻って行った。
パタンと音を立ててバルコニーの扉が閉まる。
駆け込んだ室内で目尻の涙を拭いながら、知り合いの側に寄るミチルの背中を眺めていた朝子は、しばらくしてはぁと小さく息をつくと、うなだれたように手すりに手をかけた。
すると須藤が朝子の隣に立つ。
「どうしたの? いつもの王子様らしくないね」
須藤は手すりに背中をあずけると、身体を反らせて、悪戯っぽい笑顔を覗き込ませる。
須藤の顔が間近に迫り、朝子は心臓をドキッとさせながら、慌てて顔を反対側へ背けた。
「須藤さんの言う通りだったかもしれません」
しばらくして、朝子はドギマギとしながら口を開く。
「どういうこと?」
須藤は不思議そうに首を傾げている。
朝子は顔を上げると、目の前に広がる夜景の、一つ一つの揺れる光を見つめた。
「ミチルちゃん、幹事のみんなが探してるよ」
そう声をかけてきたのは須藤だ。
ミチルは須藤の声に弾かれたように顔を上げると、「はい!」と勢いよく返事をする。
「朝哉さん、じゃあまた後で」
ミチルはぺこりと大きく朝子に頭を下げると、潤んだ瞳を隠すように、走って室内へと戻って行った。
パタンと音を立ててバルコニーの扉が閉まる。
駆け込んだ室内で目尻の涙を拭いながら、知り合いの側に寄るミチルの背中を眺めていた朝子は、しばらくしてはぁと小さく息をつくと、うなだれたように手すりに手をかけた。
すると須藤が朝子の隣に立つ。
「どうしたの? いつもの王子様らしくないね」
須藤は手すりに背中をあずけると、身体を反らせて、悪戯っぽい笑顔を覗き込ませる。
須藤の顔が間近に迫り、朝子は心臓をドキッとさせながら、慌てて顔を反対側へ背けた。
「須藤さんの言う通りだったかもしれません」
しばらくして、朝子はドギマギとしながら口を開く。
「どういうこと?」
須藤は不思議そうに首を傾げている。
朝子は顔を上げると、目の前に広がる夜景の、一つ一つの揺れる光を見つめた。