私の理想の王子様

王子様の告白

 年も明け、世の中がやっと日常を取り戻した頃、朝子は待ち合わせの場所へ向かっていた。

 年末に須藤とカフェで話して以来、何度かメッセージのやり取りをしていたのだが、今日ついにミチルを含めた三人で会おうということになったのだ。

「ミチルちゃんには、会わせたい人がいるとだけ伝えてるから」

 須藤からはそれだけを聞いている。

 ミチルがどんな反応をするのかわからず、朝子は不安でいっぱいの心を抱えたままカフェに入った。


 休日の昼過ぎのカフェは、ランチ客も落ち着いたのか、比較的ゆったりとしている。

 朝子は店内をぐるりと見渡すと、ソファのあるテーブル席で手を振る須藤の顔を見つけ、足早に駆け寄った。

「お待たせしました」

 朝子はやや緊張した顔でそう言うと、須藤の隣に腰かける。

 向かいの壁側のソファ席が空いているところを見ると、まだミチルは来ていないようだった。


「今日は朝子ちゃんなんだね」

 須藤がにっこりとほほ笑み、朝子は照れたように下を向くと、ロングコートを脱いでホワイトのシャギーニットの裾を軽く整える。

 今回、ミチルに本当のことを話すと決めてから、どちらの姿で来ようか散々迷った。

 でも、もう朝哉ではなく朝子の姿で会うべきだと考えたのだ。

 そしてやはり、須藤の前では朝子でいたいという気持ちも強かったのもある。
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