私の理想の王子様

つながる心

 店を出た朝子はチラッと顔を上げると、隣をゆっくりと歩く須藤の顔を見上げる。

 あれから店を出た朝子と須藤は、ミチルと笑顔で手を振りながら別れた。

「お二人で素敵な休日をー」

 そうミチルに言われ、朝子は照れたように顔を隠したのだ。


 それからはどこへ行くでもなく、二人でぶらぶらと街中を歩いていたが、大きな幹線道路にさしかかった時、ふと脇を見ると石造りの幅の広い階段が見えて来る。

 どうもここを下ると、街中を流れる川に沿って続く遊歩道に出るようだ。

「ちょっと行ってみようか?」

 須藤が楽しそうに指をさし、朝子もワクワクする気持ちでうなずいた。


 階段を下りきると、一気に目の前に大きな川が広がる。

 朝子は須藤とともに、夕日でオレンジがかる川面が見える先まで進んだ。

 大通りから奥まった遊歩道は、さっきまでの喧騒が嘘のように静まり返っている。

 休日の夕方ということもあるのか、カップルや散歩を楽しむ人たちがちらほら見える程度だった。

 顔を上げると、反対岸の目線の先には、観光スポットとして有名な高層タワーが見える。

 ちょうどライトが点灯したのか、水色の光が目の前で輝き出していた。


「わぁ、綺麗ですね」

 朝子は思わず声を上げると、遊歩道に沿って取り付けられた手すりから、身を乗り出すようにして辺りを見た。
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