私の理想の王子様
「いえいえ、それは関係ないんです。何ていうかケジメみたいなもので。それに由美さんのおかげで、社内での噂はパッタリなくなったので大丈夫ですよ」
朝子はそう言うと、くすくすと肩を揺らしながら由美を振り返った。
朝哉の写真がSNSでバズってから、しばらく会社で居心地の悪い日々があったのは事実だ。
でもその時、由美がみんなの前で朝子のメイクを絶賛してくれたのだ。
由美はきっと、みんなの意識をメイクテクニックの方に逸らそうとしてくれたのだと思う。
そしてそれ以来、由美の思惑通り社内の空気は一変し、朝子のことを好奇の目で見る人はいなくなった。
「だってさぁ、化粧品会社に勤めててメイクでバズるなんて、こんな光栄なことはないじゃない?」
由美はエッヘンと胸を張ると、得意げに鼻先を上に向ける。
「だからさぁ、朝子ちゃんには是非、BAになってほしいんだよねぇ」
甘えるように下から見上げる由美に、朝子は「またまたぁ」と笑い声をあげる。
確かに男装メイクをしたことで、メイクに自信がついたのは本当だ。
でも自分が人にメイクをするBAになるなど、やはり考えられない。
するとそんな朝子を見ていた間宮が、急に何か思い出したのか「そうそう」と声を上げる。
朝子はそう言うと、くすくすと肩を揺らしながら由美を振り返った。
朝哉の写真がSNSでバズってから、しばらく会社で居心地の悪い日々があったのは事実だ。
でもその時、由美がみんなの前で朝子のメイクを絶賛してくれたのだ。
由美はきっと、みんなの意識をメイクテクニックの方に逸らそうとしてくれたのだと思う。
そしてそれ以来、由美の思惑通り社内の空気は一変し、朝子のことを好奇の目で見る人はいなくなった。
「だってさぁ、化粧品会社に勤めててメイクでバズるなんて、こんな光栄なことはないじゃない?」
由美はエッヘンと胸を張ると、得意げに鼻先を上に向ける。
「だからさぁ、朝子ちゃんには是非、BAになってほしいんだよねぇ」
甘えるように下から見上げる由美に、朝子は「またまたぁ」と笑い声をあげる。
確かに男装メイクをしたことで、メイクに自信がついたのは本当だ。
でも自分が人にメイクをするBAになるなど、やはり考えられない。
するとそんな朝子を見ていた間宮が、急に何か思い出したのか「そうそう」と声を上げる。