私の理想の王子様
突然のスカウト
週末、朝子は須藤とともに百貨店を目指していた。
さすが休日の都会は人が多い。
朝子は多くの人が行き交う通りを抜けると、格式高い石造りの百貨店の入り口へと向かった。
イベントは百貨店の1階にあるステージで行われる。
ここはちょうど建物の中心にあたり、四方をエスカレーターに囲まれ、最上階までの吹き抜けになっている。
そのためイベントの様子は各階からも見ることができた。
やはりメイクデモンストレーションは人気のようで、すでにステージ前の席は満席になっている。
朝子は須藤とともに二階に上がると、正面の手すりから身を乗り出した。
最初にこのイベントに行きたいと話した時、須藤は二つ返事でオーケーしてくれた。
「今回デモをする方は、私に初めて男装メイクをしてくれた人なんです」
朝子がそう言うと、須藤は初め驚いたような顔をしていが、すぐににっこりと嬉しそうな顔を覗き込ませる。
「じゃあ、ある意味俺たちのキューピットみたいなものじゃない? 見に行って応援してあげないとね」
須藤のほほ笑む顔を見ながら、朝子は須藤らしい考え方だなと思ったのだ。
でも確かに、間宮に男装メイクをしてもらわなかったら、須藤との出会いもなかったのだろうから、間宮が自分たちのキューピットであるのは事実だろう。
さすが休日の都会は人が多い。
朝子は多くの人が行き交う通りを抜けると、格式高い石造りの百貨店の入り口へと向かった。
イベントは百貨店の1階にあるステージで行われる。
ここはちょうど建物の中心にあたり、四方をエスカレーターに囲まれ、最上階までの吹き抜けになっている。
そのためイベントの様子は各階からも見ることができた。
やはりメイクデモンストレーションは人気のようで、すでにステージ前の席は満席になっている。
朝子は須藤とともに二階に上がると、正面の手すりから身を乗り出した。
最初にこのイベントに行きたいと話した時、須藤は二つ返事でオーケーしてくれた。
「今回デモをする方は、私に初めて男装メイクをしてくれた人なんです」
朝子がそう言うと、須藤は初め驚いたような顔をしていが、すぐににっこりと嬉しそうな顔を覗き込ませる。
「じゃあ、ある意味俺たちのキューピットみたいなものじゃない? 見に行って応援してあげないとね」
須藤のほほ笑む顔を見ながら、朝子は須藤らしい考え方だなと思ったのだ。
でも確かに、間宮に男装メイクをしてもらわなかったら、須藤との出会いもなかったのだろうから、間宮が自分たちのキューピットであるのは事実だろう。