御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「そういえば海くん。婚約おめでとう」
ふと思い出して伝えれば海くんが照れたように笑った。
「ありがとな。伯父さんと伯母さんから聞いた?」
「うん。お母さんから聞いた」
私が充輝と晴輝の看病でヘトヘトだろうと思い、和菓子屋の仕事の合間を縫って一度だけ母がアパートに顔を出してくれた。
作り置きの料理を作ってくれたり、掃除をしてくれたりと手伝ってもらいとても助かった。そのときに海くんが婚約したことを聞いた。
「彼女さん妊娠してるんだってね。おめでとう」
「ああ。ありがとな」
そう答えた海くんが浮かない表情をしているのが気になる。
「うれしくないの?」
「そういうわけじゃないんだ」
海くんが静かに否定する。それじゃあどうしてそんなに思い詰めた顔をしているのだろう。
不思議に思っていると、海くんが口を開く。
「彼女の妊娠はすごくうれしい。でも、結婚前に子供ができて彼女に戸惑いや不安はないか心配で……」
それで海くんは浮かない表情をしていたんだ。
他人思いで優しい彼らしい悩みだと思う。授かり婚であることを彼女がどう受け止めているのか本音が気になるのだろう。