御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「すみません。もう一度いいですか」
申し訳なく伝えると、少しの沈黙のあとで洸星さんの声がする。
『仕事が押してるんだ。終わるのはたぶん七時を過ぎると思う』
「そうなんですね」
休日なのに丸一日仕事をしているなんて洸星さんはやはり忙しそうだ。
『そのあとに有紗の家に行くのはさすがに遅いから、約束しておいて申し訳ないが今日は行けそうにない』
充輝と晴輝をちらっと見る。楽しみにしていたのに、洸星さんが来られないとわかり落ち込むふたりの姿が想像できた。
けれど、仕事なのだから仕方がない。
「わかりました」
私にはこれでよかったのかもしれない。今は洸星さんと会いたくないから。
プロポーズを断り、もう二度と会わないと彼に伝えるための心の準備をさせてほしい。
『……有紗。なにかあったのか』
ふと洸星さんに尋ねられ、心臓がドキッと跳ねる。
彼は美貴さんが私を訪ねてきたことは知らない。おそらく私の電話での様子がおかしいのでそう尋ねてきたのだろう。
「いえ、なにもないです」
『……そうか』
洸星さんはそう言うと「また連絡する」と告げて電話を切った。