御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす

 しばらくしてインターホンが鳴った。

 玄関に向かい扉を開けると洸星さんがいる。

 玄関に足を踏み入れた彼が私の腕を掴み、自身の方へと引き寄せた。

 視界になにも映らなくなり、彼が普段から身につけている香水が鼻腔をくすぐる。

 パタンと玄関の扉が閉まる音が聞こえ、背中に回された手が私をさらに引き寄せた。


「有紗」


 名前を呼ばれた瞬間、胸が甘く揺さぶられるのを感じた。

 私はどうして彼と別れる道をまたも選ぼうとしたのだろう。

 こんなに好きなのに……。


「洸星さん」


 じわっと目元に涙が浮かび、私からも強く抱きしめ返した。

 大きな手が私の後頭部に触れる。ゆっくりと顔を上げると、見惚れてしまうほどきれいな顔が近づいてきた。

 目を閉じると、唇に軽く吸い付くようなキスをされた。

 一度離れてから再び重なる。角度を変えて何度も続くキスに彼の深い愛が伝わり、温かな幸せが胸いっぱいに広がるのを感じた。




< 143 / 162 >

この作品をシェア

pagetop